「Shenmue the Animation」第三話 陰陽(おんよう) 感想

引用元: Shenmue the Animation 公式サイト©SEGA / Shenmue Project

藍帝、鳳凰鏡、朱元達、、父の情報を求めて町中を調査する主人公、芭月涼。

今回の見どころはなんといっても陳貴章の登場。これに尽きるかと思います。アニメ版ならではの陳親子の繊細なやりとりも垣間見れ、原作ファンにとっても見ごたえがあったのではないでしょうか。

サブタイトルの陰陽の意味するところ、おそらく龍鏡と鳳凰鏡のことなのかもしれませんが、加えて、芭月親子と陳親子を光と影になぞられた表裏のような存在を描いているようにも見えました。

今回は、そんなアニメ版シェンムー第3話の感想を書き綴っていこうと思います。

※注意!この記事はネタバレを含みます。アニメ版第3話までに加えて、ゲーム版も全てプレイ済み前提の内容となります。

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第8倉庫だ

引用元: Shenmue the Animation 公式サイト©SEGA / Shenmue Project

解読不能だった朱元達からの手紙。陶器屋ロシヤの秀玉(シュウギョク)さんに読んでもらいます。

いつも思うんですが、鏡を使うと読める裏文字とやら、中国人なら誰しも解けそうなものなんですが。この世界ではなぜか秀玉さん以外、誰も読むことは出来ないという。

鏡狙うものあり 注意されたし
なお 緊急の場合には陳大人に助けを求められよ
朱元達

父なる天
九つの龍
母なる地
我が友

なにはともあれ、謎は解けた!というわけで、手紙の裏に書かれてある電話番号にTEL。

もちろん、昭和時代なのでダイヤル式電話。

20年以上前(平成11年)に発売されたゲーム版でさえ、このダイヤルを回してかけるという動作、懐かしさがあり昭和レトロ感が出ていました。令和の今の時代だと、懐かしさ通り越して知らないかたも増えてきているのではと思います。

さて、電話で例の合言葉の確認作業。

・・第8倉庫だ・・

それだけの言葉を発したままプツリと切れる電話先。

このあたりから、ゲーム版でも面白くなってきた感がありました。ちょうど、DISK1からDISK2へと入れ替えのところですね。

発信元が、網浜町の倉庫街だと知る涼さん。バスに乗って横須賀港へ向かいます。

ゴロー登場

港に到着するやいなや、ゴロー率いる不良グループの金の巻き上げ場面に遭遇。

涼「いまどき流行んねーぜ。カツアゲなんてよ。」

と、カツアゲ撃退QTEで、難なくゴローを成敗。

知っての通り、その後のゴローは涼さんのことをアニキと呼び慕い、港をパトロールする横須賀港のマスコット的存在。プレイヤーからも愛されるキャラクターでした。

アニメでは涼さんをどうサポートしていくのか、それと、第3話の終盤でちらっと登場する麻衣ちゃんとの絡みにも期待です。

倉庫街潜入

ゲーム版一章では難関のイベント、旧倉庫街潜入シーン。

夜間パトロール中の警備員さんに見つかってしまうと失敗・・強制的に翌日まで時間が進んでしまうという、某ヘビさながらの潜入ミッション。

警備員の徘徊ルートを把握するのが難しい反面、わざと失敗して日時を経過させるという、便利な日送りイベントとしても活用されたあの場面。

さあ、アニメではすんなり突破できるか!?と思いきや、あっけなく捕まってしまう涼さん。おいおい・・

と、どうやら成功?らしく、追い帰されることなく陳の部下に第8倉庫まで連れていかれていたらしい。

ゲーム版では陳大人と貴章の二人しか描かれなかった陳一派。今回はしっかり部下も率いています。

ここで朱元達からの手紙を渡す涼。藍帝とは何者なのか、朱とは・・その存在が少し明らかになります。

陳と貴章の親子関係

引用元: Shenmue the Animation 公式サイト©SEGA / Shenmue Project

陳大人に会い、奪われた龍鏡と対になるもう一つの鏡、鳳凰鏡があると知らされる涼さん。

物語は、その鳳凰鏡を探すシーンへと移っていくわけですが、その間、陳大人と貴章との親子関係の描写にも見ごたえがありました。

陳大人のことを「父さん」と呼ぶ貴章。ゲーム版もそう呼ぶ場面がありましたが、やはり父のことを尊敬しているのでしょう。そしてこの一連の場面、芭月涼と巌との親子関係と、どこか重なって見えるような描き方をされていました。

ですが、陳大人は「客人の前だ。その呼び方はやめなさい。お前はすでに組織の人間、私の部下だ。父と息子に戻るのは、この裏社会との決別の時。死の時だ。」そう、貴章に告げます。

このあたりの描写は、陳一派の裏の顔が見え隠れする原作にはない大事なカットでしたね。

まだ少し先の話ですが、貴章は、巌の姿を追う涼とともにに、香港へ旅立とうとします。言い分は涼のサポートとしてですが、今思えば、バックグラウンドは不明ですが、同じように親父の姿を追う旅をしたかったのかもしれません。

涼とのやりとりで、死ぬのが怖くないのか?の問いに、「そうしなければ本当の親父の姿を追えない。」との涼の言葉に心打たれる貴章の表情が印象的でした。

このサブタイトルにある陰陽というのは、芭月親子と陳親子を光と影になぞられた表裏のような存在を描いているようにも見えました。

裏社会に生きる親子と、その裏社会へ足を踏み入れようとする者。

あまり脱線はできないのかもしれませんが、陳大人と貴章の親子関係も掘り下げていって欲しいものです。

まとめ

引用元: Shenmue the Animation 公式サイト©SEGA / Shenmue Project

第3話も、原作ストーリーをなぞりつつ適度にアレンジを加えた絶妙な構成でした。

特に、陳大人と貴章との親子関係の掘り下げ方はファン納得の内容です。

シェンムーって、もともと登場人物それぞれにしっかりとした設定があるから、ネタは尽きることなくエピソードを追加できたり、キャラの掘り下げにも対応できるんだと思います。

そのうえで、今回のアニメ化はファンからも見ても自然な内容で、制作スタッフの原作への愛も感じられます。

第4話以降も、愛に満ちた見ごたえある作品に仕上がっていることを願います。

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